おもしろかったよ
ありがとう
変わって行く街も
旅から帰る君も
使い古しの殺し文句でいい
一番得意な常套手段で
わたしを黙らせて
すべての恋は
いつか思い出に変わるのだから
涙あふれても
もう戻らないあの日々
あなたはいつまでも
想い出のロックンローラー
#安田聖愛
胸に
甘い風が吹き込む
あの日の
何でもない記憶から
#安田聖愛
私はここにいる
君は今じゃないと言う
私は今ここにいて
あの日の私は変えられない
#安田聖愛
春を待つ君の肩に
小春日和がのっている
ちいさくともあたたかく
たしかな光が
まるで小鳥のように
#安田聖愛
人差し指を立てて
空を指さしてみても
風向きの一つも読めやしない
君の視線どころじゃなく
自分の気持ちさえ掴めないの
時を経て
変わるものと変わらないものとがあり
時を経て
変わるものと変わらないものがわかる
戻れはしないけれど
それでいいだろう
君はいくつのときに
このレコードを聴きましたか
#安田聖愛
ごはんを一緒に食べた数だけ
会話のない時間を共有できる
心地いいふたりに近づく
「自由」と声に出して言ってみる
乾いた孤独を残して
空に吸い込まれて消えた
ただただ日々を重ねて
来たわけではなかったと
時々そう気づかせてくれる
いつも通りの街角
時々立ち止まって
のんびりぼんやりしたりする
人生なんて
結局は一方通行だから
明日 約束の場所で
生まれるはずのなかった
物語のはじまり
真白い空になにを描こうか
濡れて光る冬の街に
溶けゆく白い息で
#安田聖愛
壊れた夢のかけら
失くした恋のおもいで
懐かしい君の新しいうた
美しい私の人生
物語のなかで暮らしたい
私を起こさないで
ずっと夢見させて
#安田聖愛