何かが終わって
また何かが始まる
そこにある私によって
繋がっていく何かと何か
終わってしまえば
みんなみんな美しい思い出
遣る瀬ない毎日を
行き続けて行くために
秘密は秘密のまま
閉じ込めて
鍵は月の裏側へ
放り投げて
飛ばした
雑踏の中
内容のないメッセージ
情緒のないメロディ
ランダムな運命
夢見たことも後悔しない
何れにしても
避けられないことだった
飲んだり食べたりしながら
何でもないお話をしましょう
私あなたと
仲良くなりたいの
ひとり
またひとり
と
いなくなる
その後ろ姿を
ただ
見送るだけ
ただ
できるだけ笑顔で
時は流れながら
繋がっている
遠い海の向こうや
もう会えない誰かとも
同じ嘘の中で
同じ夢を見て
そうして感じた何かは
たぶん真実なの
たとえ
どんなに言葉を尽くしても
言い表せないとしたって
不思議なことは
時々起こる
私が思っているよりずっと
私の世界は広くて深いのだ
いつもの街の
いつもの通り道
もう2度と
戻れない曲がり角
湖面に映るすべてを
指でつつつと歪ませて
山か月かと勘繰るなんて
恋する女はほとんど病気
、
何かのために
伸びてくのじゃない
陽を浴び 雨にさらされ
風に吹かれて
ただそこにいるだけのつもりが
ちょっと大きくなってたりするだけ
変わらない懐かしさは
どこか優しさに繋がっている
なぜだろう
泣くだけ泣いて
許してあげる
だから足早に
私を通り過ぎてよ
毎日のごはん
おいしいごはん
たのしいごはん
そうして人生は
少しずつ短くなってゆく
私は本物じゃないから
磨いたって光らない
だからいつも
本物を探してるんだもの
薄暗がりの中
生暖かい風
仄かに匂う
甘いお茶の香り
くぐもったレコードの音
忘れかけた君の顔
寝ても醒めても夢のなか
いつでもひとりで
いつでも一緒
夜空を見上げて
君を思い出さない
そんな日が来ることが
今は想像もつかない
だけどたぶん
その日が来ると
私はもう知っている
風にはためく木綿の裾を
見つけてそこから走っておいで
夜は泥のように眠り
明日また太陽が出れば
明るい方を目指して
ぐんぐん進め
たとえ手が届かないと
悟ったとしても
風もなく音もない
時そのものが止まったのではと
錯覚するような午後
お天道様に向かって
背伸びをしながら
朗らかに笑え
少しだけ泣いたあとで
たとえまわり道でも
思いがけない行き先でもいい
ずっとずっと
ここにじっとしているよりは
ずっとずっとまっすぐに見える道も
どこかずっと先でたぶん曲がっていて
意を決して進んでいく私を
思いもかけない場所へ連れて行くんだろうと思う