ちょっと素敵な毎日で
悲しい人生をやり過ごす
優雅に笑っているうちに
それが本当になる不思議
見ているだけなんて
さぁその扉を開けて
ようこそ
煌めくお伽の世界へ
見えないかもって思っても
一生懸命見てみるよ
目を凝らしたり
背伸びしたり
いろんなことを試してみるよ
いつもの仲良しと
少しだけおしゃれして
お庭でゆっくりお茶でもいかが
不思議の扉が開くかもしれなくてよ
あなたの孤独と哀しみが
私の退屈に明かりを灯してくれたこともあった
いいところばかりが素敵とは限らないから
あなたはただ生きているだけでいいの
時は通り過ぎてゆくのに
ふと気づくと
いつの間に折り重なって
そこにくっきりと
はっきりと刻まれているの
不思議
四角四面の優等生に見えるでしょ
びっくりするような冒険心を
体の隅々にまで隠しているの
少し温めてくれたら
とっても微かに香るんだけれど
欠けたものを何で埋めよう
似てるもの
新しいもの
同じもの
それともいっそこのままで
月よりも星よりも
確かに灯る明かりの下で
にせもの同士の退屈しのぎでいいから
今宵一緒にまぼろしを見ましょう
流した涙も
波の間に間に消えてくような
穏やかな海を眺める
これから起こる
悲しい出来事も
こうして忘れるだろうと
考えながら
ひねもすのたりを
これから
どれだけ重ねてゆけるかしら
私たち
ちいさなしあわせや
ささやかなよろこびをこそ
ひとつひとつ丁寧に並べて
隙間なくできるだけ
ぎゅうぎゅうにたくさん
悲しい事があったら
あたたかいものに包まれるようにしなさい
おいしい食べもの
香りの良い湯気
一緒に泣いたり笑ったりできる誰か
明るいと
見えないこともあるから
いつでも
ちゃんと見ていてね
空と海を隔てる
一本の線
確かに見えるのに
どこにもない
役割を終えても
ただそのまま
とりあえずそっと
置いておく
意味なんて
あるにせよないにせよ
何かが変わるその時まで
誰にでもじゃない
君にだけ微笑んでる
小さな扉がどこかにあるんだよ
新しくて懐かしい君に会える
君だけの扉だよ
思い出は遠くなるほど
鮮やかに 優しく
涙が出ちゃうくらいに
行き過ぎた君が
もう
あんなに霞んで見える
それはまるで蜃気楼のように
振り向いて
君の名を呼べば
まだ届くとわかってはいるけれど
忘れたふりしていたって
なかったことになんてならない
だから大丈夫
だけど大丈夫
豆腐売りの笛の音
自転車飛ばす子供たちの声
隣のキッチンの窓から
お料理中の気配
午後4時
おまんま食えてりゃ大丈夫
そのうちみんな
笑い話になっちまうのさ
あぁこの世のすべてが
ロマンティックな香りの
甘くてかわいいお菓子でできてたらいいのに
気配を感じながら
気ままに思い巡らす
昨日読んだ本と
買ったばかりのレコード
それから、次に堕ちる恋について
さようなら
またいつか ここで
お会いできますよう
たとえ何に生まれ変わろうとも