君を その逡巡ごと抱きしめてあげる
それが僕にできるただ一つのことだから
宙ぶらりんな気持ちを乗せて
どこへ向かって飛び立とう
見失いそうになっているのは
君の姿じゃなくて
僕の気持ちのほう
なのかも
できることとできないことがあるなんて
わかってる けど
知らんぷりしたい時だって
あるんだよ
僕は僕の道を
君は君の道を
つくりながら進んで行って
そしてまた
いつか会おう
好き好んでるわけじゃないのに
自ら進んで迷路に入り込んでる
わかってる
音もなく 時は行き過ぎる
まるで私の目を盗むようにして
寂しい君と 寂しい僕が
一緒に笑い合えたら
いつかその寂しさは
何か他のものに変わりますか?
大切なものは
大切に胸にしまって
その大切さのわかる人にだけ
時々こっそり見せるだけにしよう
大切に
風にのって
色々なものが漂っている
微かな草の匂い
遠くの笑い声
消え入りそうな声で呟いた
行き場のない私の気持ちも
このカメラの中でなら
僕は君を見つめることができる
まっすぐに
君との距離を測りかねて
コーヒーの香りを胸いっぱいに吸い込んだ
午後一番の日差しの下
model :
野佐怜奈
あなたが通り過ぎている
そう そこの道端に
何かちょっと面白いものなんか
あったりするかもしれないよ
思いがけない出来事が
ぐるっと回ってずーっと先で
ひょっこり待っていたりとか
見えないもののほうが
本物だとか上等だとか
そんなこともないのだと思う
時々はいいと思う
失くしたものを数えたりしても
真夜中に
布団に包まって声を殺して
涙を流したりしても
できるだけ呼吸は深く
匂いを感じながら
いつも新鮮でいたい