ぐるぐるぐるぐる
私のなかも掻き混ぜて
じっと変わらないでいるなんて
女と産まれたからには
無理な相談
思っていたのとは
全然違ってた
けど
今日も笑えてるから
それでもよかったんだと思う
宵に滲む薄い影
街をユラユラと漂う
金魚のように頼りなく
終わりは終わり
ただ
もう空っぽ
ひんやりと甘い余韻も
もう間もなく消える
目と目が合えば
同じ歌を歌い出すような
そんなふたりだった
私の夏も
切り開いて
見せつけたい
瑞々しく甘く
滴るような恋の日
答えなんて
いくら探してもない違う場所へ行って
違う自分になって
そうしてやっと
或いは見つかる可能性も
無きにしも非ず
というくらいなもので
いつか別々の道を行く
そんなこと考えもしなかった
あの頃
真夏の陽射しに
重くまとわりつく熱気に
遠慮と引け目と自分の弱さに
負けないように
元気出せ
君と過ごした夏は
暑かった記憶すらないんだ
ただ
歌って笑って
そうして一切が過ぎていったんだ
ああいうのを
幸せって呼んでもいいのかな?
何も考えず
ひと息で
眼前の道を行く
最初の1歩目だけは
お待ち申し上げております
あなたが
ひと夏の恋を連れて
私を迎えに来るのを
私たちにはもっと
話すべきことがあったのかしら
ふたりだけが知っている
楽園がまだ存在していたあの頃
まだまだこれからだと
いつだって後悔しながら
それでもほんの少しずつ進む
止まらない時に押し出されるようにして
ああ時よ
君の過ぎ去るのは
あまりに早く
あまりに静かで
眠れぬ夜の作法を
まだ持ち合わせていない
大人になる余地が
まだまだ私にはあるみたい
その恋は忘れたの
美しく優しく賢い君よ
傷がまだ疼いて滲む
紅い花が綺麗でしょ
君の優しさはいつだって残酷
たぶん永遠に
あるのかないのか
わからなくなるのは
私の存在が
不確かだからなのだろうか
私の光は私の胸の中にある
神様が
私の瞳を通して
指差した方向に