好むと好まざるとに関わらず
時は行き過ぎ
新しい季節がやってくる
全部持っては行けないから
大切な気持ちの幾つかはしまい込む
美しい思い出にかえて
次の山に登る
泣き濡らした枕カバーを振って
思い出にサヨナラするさ
ムリしても笑っていれば
そのうち乾くだろ
明日へ向かう矢印を
掲げて走る
衣の燃え尽きそうな
ジャンヌ・ダルクの気分で
生きていればいい
できれば笑っていて欲しい
誰かといればなおのこといい
できるだけ
おいしいと思えるものを口にして
愛とかって
日々の赦しと祈りの中にあるかも
って思う
悲しい恋の思い出を
あたたかな火にくべて
燃え上がる涙を眺めながら
君が幸せであるようにと
天に願う
忙しない人々の往来さえ
楽しいホリディの前奏
スキップで帰って
君の胸に飛び込むまで
南風はいつも
胸騒ぎを誘う 私は悪い子だから
嵐の日が大好き
キラキラを追いかけて
胸が苦しくても
きっとあんな風に
私はなれないから
ありがとうって
言えなかったから
きっとまたどこかで会える
待っているのは
新しい自分
運命の人なんか
もう現れなくていい
なんでもない時間を
なんでもない顔で重ねて行ける
特別な関係
あなたのおもちゃ箱
ちょっと覗きたい
私のも見せてあげる
ちょっとだけヨ
木枯らしに背を丸めて
冬の街をどこまでも歩く
冗談を言い合いながら
時が過ぎるのも忘れて
真綿に淡墨染ませたような
冬の曇り空が
私の怠惰を包んで
神様の目から匿ってくれる
嘘も罪も
みんなグレーに塗り潰して
僕の気持ちは
隠しているつもりだったけど
顔を見れば誰でもわかると
あの子に笑われちゃったんだ
優しく美しく賢い君の
案外 手のかかるところなんか
たまらなく大好きだった
固く縺れた毛糸玉みたいな
凝り固まった気持ちを
絶対触れないようにして
心の中に置きっ放しにしているのは
なぜなんだろう
知らない間に時が経って
知らない間に壊れてる
そんなつもりなかったと言っても
もう遅いの
君が幸せであるようにと
いつも祈るような気持ちで
隣で笑っている時も
遠く離れた今も
暗闇に浮かぶ小さな光が
見えないくらい遠くの空まで
私を連れて行ってくれますように
嬉しいことは
ちっちゃくていいから
いっぱいいっぱい
めいっぱい欲しいの
あともう少し待って
そう もう あと 少し
いちばんの私で
君に会いたいから
窓越しの魔法をかけて
街を眺めるの
道行く人と輝くネオンの中に
君の記憶を置いてみたりして
街はいつもよりおめかし顔
ショーウィンドウに映る
私にも少しだけ魔法がかかって見えるかしら
静かな眠りにつくその前に
ほんのひととき 燃え立つ命
なにひとつ残すつもりもない
ましてや想い出など
何をしても楽しかったあの頃
いつだって大好きなあなたがそばにいてくれたから
よそ見しながら
ただただ前へと駆けていた
あの頃の私のままで
雨だれの音を聴きながら
気ままなおしゃべりをしよう
温かいお茶を淹れてあげる
僕の隣にお座り
星も月も霞むほど
輝け
いつわりのともしびよ
わたしの命をすべて燃やして
早すぎる雪に
失くした恋を思う
こんなにも寒い日にだって
笑い合えていたあの頃の僕らを
誰も知らない私を
あの夜 あなたが見つけてくれた
思い出にしてしまおうか
まだ少し迷ってるの
甘いミルクティーで
冷えた両手を温めながら
思い出は星に変えて
次の旅へ静かに漕ぎ出す
時々見上げて君を思った
あの空の向こうへと
思い出さないように
泣かないように
ぎゅっと我慢して
一粒の涙が
取り戻せない後悔の始まり
いつもの喫茶店に
新しいアルバイトの子がいたのよ
あのかわいい制服がよく似合っていたわ
あなたはもう会ったかしら
楽しいことは
たくさんたくさんたくさんあった
みんなみんな
弾けて消えて何もない
お日さまの子どもたちが
つやつやほっぺを寄せ合って
笑ってる
あんまりかわいいと…
食べちゃうぞ!
知らない誰かの物語の
通行人になろうと街へ出る
この扉の向こうで
素敵なシーンの気配の中
コーヒーなんて飲んだりしてさ
小さくなったり大きくなったり
色を変え 形を変える
お月様ってとても気まぐれね
そしてふたりは心のなかで
君みたいにね、って呟くの
どこが真ん中でどこが始まりだと思う?
私が見ているのと同じ景色を
隣で見ているはずだった君