2017.9/1

もしもし

ええそうよ、あたしアキよ…

女の姿もその聲も存外に清かつた

夏の陽射しが堪らないワ、だから眼鏡が手放せないの

私が街へ来たからには、もうそろそろ葡萄や栗を寄越して頂戴ヨ

冷たい風だけ送つたんぢや

あたし嫌われちやうワ

なんて話しているのかなどと妄想しながら珈琲を啜る、秋一日目の今日。

#野佐怜奈

2017.8/30

物語の始まりは

こう

カフエのあるビルヂングから降りて来た

その女と

すれちがふであろう3秒後を思うと僕の胸は、

僕の胸は、、、

#野佐怜奈

2017.8/31

その妖しげな目配せを

僕は見逃さなかつた

女が黒眼鏡を掛けてゐるのは

もうさして強くもない夏の陽射しを

避けるためだけとは思はれなかつたからである

#野佐怜奈

2017.8/29

君への

叶わなかった恋に

さよならして

足取り軽く

未来へひとっ飛び

またいつか

今とは違う私が

新しい恋をするかもしれない

君に

#野佐怜奈

2017.8/28

捨てたふり

棄てられたふり

思い出になるまでの

仮の思い出置き場

2017.8/27

今日にさよならして

新しい明日に逢いに行く

途切れも淀みもせず

滔々と流れる時のなかで

2017.8/26

今   私に何ができるだろう

過ぎ行く季節を

引き留めることができないのなら

2017.8/25

いつかまた

君に会いたい

その時はきっと

仲の良い友達になってね

2017.8/24

月が綺麗と言った君の

心はわからないまま

私の方がずっと好きだったけど

私の方がきっと傷つけた

2017.8/23

知らなければよかったことなんて

何もない

そう言い聞かせて

この扉を開ける

2017.8/22

早く早く早く

笑顔の隙間から

秘密が零れ落ちてしまう前に

2017.8/21

恋は不思議

私がどこかくるりと変わるから

世界がぜんぶ変わって見える

#佐野バビ市 

#東京ミルクホール

#女装演出家

2017.8/20

何度も何度も

音が変わるほど聴いた

短いスカートの裾

ひらひらなびかせて

2017.8/19

ねぇ

どこかで

つながっているかしら

どう思う？

2017.8/18

おとなになりきれるおとななんて

ほんとうはひとりもいないから

2017.8/17

ずんずんずんずん

進んでゆけ

どんどんどんどん

変わってゆけ

君の君らしさは

その中で磨かれて尖ってゆく

いいとか悪いとかは

入り込む余地もないこと

2017.8/16

一緒なら

ただのごはんも

思い出になる

2017.8/15

とりあえず一歩

そして次の一歩

出さなけりゃ

倒れちゃう

どこへ行くのか

わからないままでも

2017.8/14

華のお江戸に出て来たからにゃ

粋に行くわよ、思いきり

それが田舎もんの心意気だべさ

なぁ

2017.8/13

壊れてしまうことなんて

わかっているさと

言ってみたところで

そんなの一体何になるんだよ

2017.8/12

もっと甘くおいしくなったら

その香りは止められないわ

誰かに見つかってしまう前に

早く見つけてつかまえて

2017.8/11

何気ない連絡を

考えた末

できないでいる

後悔するって

わかっているくせに

2017.8/10

楽しかった思い出も

悲しかった出来事も

ぽいっぽいっと

できるだけ見ないようにして入れとくよ

ときどき

びっくりするようなの入ってることあるんだよ

2017.8/9

旅人に

恋をしてはいけない

さみしさに

負けそうなあなたなら

けれど私は

旅人に

恋をせずにいられない

港にもなれないままで

2017.8/8

嵐に巻き込まれるのも

退屈よりはずっといい

いつかは私も

起こしてみたいものだけれど

2017.8/7

咲けばいい

季節も朝も待たずに

2017.8/6

孤独を利用して

いつもの街並みを

もっとポップに歩く

僕は異邦人

2017.8/5

朝には夜を待ち

夜には朝を

過ぎ行く季節を

惜しむことなく

2017.8/4

楽しかったあの日のことを

早く忘れてしまいたく

今日もどこかで酒を呑む

たいして飲めもしないのに

2017.8/3

この道を照らすのは

互いだけ

2017.8/2

胸の奥の隠れ家でだけ

繋がっているような

秘密の恋

2017.8/1

自分らしく在ることが

互いの喜びになるように